皆様
新年、あけましておめでとうございます。
viwaの奈良里紗です。
2021年の元日、皆様、いかがおすごしでしょうか。
皆様が健康にこの新しい年を迎えられていることを心から願っております。
毎年恒例となりますが、一年に一回ぐらいは代表らしいお仕事をしなければと思いますので、viwaスタッフを代表しまして皆様に新年のご挨拶を申し上げたいと思います。
2021年への気持ちを語る前に、これまた毎年恒例の2020年を振り返りたいと思います。
2020年2月までは、例年通り、パパママ会と視覚技塾を愛知県立名古屋盲学校にて開催しておりました。
あの当時、まさか新年度が無事に迎えられない事態が起きるとは想像もしていませんでした。
3月上旬に私は視覚障がい関連の施設を訪問することを目的に渡英していました。
帰国すると、日本が新型コロナウィルスによって様変わりしていました。
いつもなら多くの旅行客でにぎわう空港も閑散とし、職員はみんな手袋にマスク。
これはただことじゃない!と肌で感じたことをよく覚えています。
そこから急転直下。
viwaの最大のいいところはフットワークの軽さ。
対面でのイベントはできなさそうということがわかるとすぐにzoomの有料ライセンスを購入。
4月にはオンラインスタイルでのパパママ会がスタートしました。
いまだかつて誰も経験したことのない緊急事態宣言が発出され、誰もが不要不急の外出を制限されました。そんな中でも容赦なく続くのは子育てです。きっと、学校もなくなり毎日毎日、家で過ごさなければならないというのは平時とはまた違った困り感があるのではないかと思い、保護者からのニーズも聞き取り、平日夜21時から毎週開催しました。
ときには、盲学校の先生、ときには眼科関連の医療従事者の方々、ときには歩行訓練士さんなど、皆さんがパパママたちのために時間を作ってくださり、自粛中の悩みに応じてくださったことは本当にありがたいことでした。
また、4月17日より新型コロナウィルスの影響による視覚障がい児・者のお困りごとアンケートも実施することになりました。こちらは現在も継続中です。お困りごとをできるだけ多く拾い上げて何かお役にたつ情報発信ができないかという取り組みです。お困りごとを集計し、Facebook上で公開をしたり、コロナお困りごと座談会をライブ配信したりしてきました。
そして、5月。
ピンチをチャンスに変えたい、私たちにできることは何かないかというスタッフの活発な議論から、とんとん拍子で企画が持ち上がり、アメリカ・シアトル在住の視覚障がいのある日本人である田中恵さんとのオンライン視覚技塾が開催されました。初めてのオンラインセミナーでしたがわずか数日で約70名近い参加がありました。これには運営のスタッフも驚きました。
そして、オンライン化が加速する中で、おきざりにされていく視覚障がい者像がうかびあがってきました。まだ、このころはどの団体もオンライン形式でのイベントを模索しはじめたという状況でした。その模索、四苦八苦して得られたノウハウを共有する場がほしいということから持ち上がったのがオンライン活動をテーマとした視覚技塾でした。こちらは定員の100名にあっという間に達してしまいました。このとき、裏方で事務を担っていたスタッフは相当大変でしたが、社会のために自分たちができることだからと使命感で走り切ってくれました。
6月。
2020年7月10日に向けた準備が始まりました。そう、viwa設立10周年記念です。何か盛大なセレモニーをやろうという方向へいかないのがviwa流。いつも通りのミーティングをFacebookでライブ配信しちゃいませんか?というアイディアが浮上、それに対して「いいね、面白そうだからやろう」と二つ返事で決まってしまうのが気持ちのよいところでもあります。
10年間を振り返るために過去の活動の写真を出し合ったり、こんな活動もしたねとトピックをあげたりと楽しい準備が進みます。
このころ、私たちの生活は徐々に平時モードに切り替わろうとしていました。7月10日は金曜日でした。日時よりもみんなが参加できることが大切という雰囲気が自然とでき、ライブ配信自体は7月11日。でも、viwa時間では7月10日という設定を作り出したのでした。10周年を迎えるにあたり、これまで支えてくださった方々からもお祝いのコメントを寄せていただき、改めて、人に支えられたからこそ、続けられた10年間だったと感じたのでした。
7月。
10周年記念のライブ配信は、終始和やかな雰囲気で
「いつものミーティング」をすることができました。
改めて、次から次へと新しいアイディアがふってくる私、それをやろうとして支え、ともに歩んでくれた仲間には心から感謝したいと思います。
10年前、10年後のこの日がこのような状況になっているとはだれも想像ができなかったと思います。それでも、10年間着実に歩みを進めてこられた、様々なライフステージの変化があったけど、やめずに続けられたのは、仲間がいたからこそだと感じています。
2020年は新たなスタッフがたくさん加わってくれた一年にもなりました。20代から70代まで幅広いスタッフが活動に加わってくれたことで活動に深みがでました。viwaにつながってくださった皆様、本当にありがとうございました。
話は戻しまして、9月から全6回のプログラムで視覚技塾&パパママ会を実施することが決まりました。
「やりたい!」という気持ちが先にたってしまい、細かいことは後回しな私に事務局メンバーを随分と振り回してしまいました。
ときには、認識に齟齬があり衝突してしまうこともありました。それでも、問題解決のために歩みをすすめてくれるスタッフ、さすがです。
9月は読書バリアフリー
10月は中途視覚障がい者の日常生活
11月は地域格差
12月は海外旅行
と4つの視覚技塾を開催することができました。
それぞれのスタッフが自分たちの中にある「やりたい!」や「興味があること」を形にしてくれました。これも私一人ではできなかった、思いつかなかったことばかりです。そして、今まで情報を届けることができなかった全国各地の視覚障害当事者、教育、医療、福祉の関係者の皆様に情報をお届けすることができました。毎回のアンケートで
「そうそう、そういうことが伝えたかった!」
というこちらの想いが届いた瞬間は本当に嬉しくなります。
パパママ会では、ずっとコラボしたいけど距離的な問題でできなかったチャレンジドヨガの高平先生との企画が実現しました。
親子で楽しく体を動かしている様子はみていてポカポカしました。また、12月からは3回プログラムでどなたでも参加可能な健康講座まで実施していただけることになりました。コロナ禍で気持ちが落ち込んでしまったり、体を動かす機会がないからこそ、オンラインでもつながり、体を動かし、思いっきり笑う時間はとても大切だと改めて感じました。
今年はヨガ以外にも、オンラインで料理教室も実施しました。
料理教室、オンラインでなんか無理じゃない?というところから、自宅だからこそ、自宅にあるものでいつものキッチンでお料理ができるっていい!という新たな発見もありました。
何より子どもたちが積極的に取り組んでいて、お料理教室後、何度もおうちで料理してくれるようになったんだとか。体験する機会を作ることの大切さを改めて感じました。
10月、11月は(株)ファンケル様とのコラボ企画でオンラインでのスキンケアセミナーを実施しました。
こちらもオンラインでどういうかんじになるのだろうと思っていたのですが、画面越しでも十分にできることを実感。男女ともに、終了後には本当にお肌がつやつやで、「きれいになる」って大切!と感じました。
私も一緒にセミナーを受けて、それからは優しく肌をいたわる時間を意識的に作りました。すると、本当に触ってわかるぐらいの変化がありました。やっぱり、ちゃんと教えてもらう機会って大切!と私自身が実感しました。
すでに、1月の(株)ファンケル様とのコラボ企画の参加募集が始まっています。2021年も様々なテーマに取り組んでいく予定です。皆さんも一緒にきれいになりましょう。
2020年は、viwaとしてもオンライン化の加速に加えて、初めての取組にたくさん挑戦しました。
これにより、新たな出会いもあり、1年間のメルマガ新規登録者数が100名を超えたのだそうです。これは設立以来の快挙です。
メルマガも10年間、休むことなく配信し続けることができました。当たり前に配信ができるというのはすごいことだと思っています。毎月、この作業にあたってくれているスタッフには感謝です。
やりはじめたけど、なかなか更新ができていなかったviwa talkも、竹内くんという新たなパーソナリティを迎え、再び、走り出すことができました。
また、弱視の大学生が2名、体験記を定期的に執筆してくれています。
10周年の節目にこのような多くの新たな挑戦ができたこと、そして、つながりをつむぎだすことができたことは本当に嬉しい出来事でした。
さて、ここからが2021年についてです。笑
10年という節目を迎えたことで、
「奈良さん、次の10年はどうするのですか?」
という質問を投げかけられるようになりました。
この10年で検索すれば視覚障がいに関連する情報がでてくるという環境を作り出すことができたかなと思っています。実際に、viwaのブログをみて個別にご相談をいただくケースも増えてきています。この情報の蓄積は引き続き次の10年にかけても行っていきたいと考えています。
この10年は創生期、まさに、viwaという骨組みづくりでした。
ですから、これからの10年はこの骨組みに少しずつ肉付けをしていけたらと考えています。
10年かけて、点をつくることができた。
次の10年は点と点を結びそれを線にしていきます。
線ができたら次は線と線をつないで面を作っていきたい、そんなふうに考えるようになりました。
私という点からは、次世代を担う10代、20代との間に線をつないでいけたらと思っています。なぜ、このように思うようになったかというと、私自身、20歳前後のときに先輩方が私という点に興味をもち、先輩方へとつながる線を引っ張ってくれました。それらがきっかけともなり、私はこういう活動を始めました。次は私が後輩たちに線をつなぐ番なのかもしれない、そう思ったのです。
2020年は新しい生活様式に慣れるのが精いっぱいの一年でしたよね。
だから、2021年はこのニューノーマルに私たちがもっとなじんで、できないことをできる化するための取組をすすめていきたいと考えています。
私たちの活動は、この記事を読んでくださっている一人ひとりの方々の「ちょっと困ったな」が動力源となっております。ぜひ、皆様からは引き続き、「こういうことに困っているんだけど」というリアルなお声をお寄せいただけたらと思います。
「こんなことで困っているのはきっと私だけ・・・」
そんなふうに思わずに、ちょっと、知り合いに相談するような感覚で私たちに話しかけてもらえたらと思います。
viwaには私も尊敬する、素晴らしいスタッフがたくさんいます。彼らは自分たちの経験、知恵、工夫が何か役に立つならばと動いてくれます。
こんな世の中だからこそ、一人で悩まないでください。
スタッフの谷田さんが口癖のように
「私は視覚障がい者の孤独をなくしたいんです!」
といつも心強い口調で話しています。
この気持ちはきっとみんな同じです。
2021年も皆様にとって、「困ったときのviwa」といっていただけるような活動を展開できたらと思っております。
今年一年が皆様にとって笑顔あふれる一年になりますことを心より願っております。
viwa 奈良里紗
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