皆さま
スタッフのハチです。
前回の小学生編に続き、今回は中学生編をお届けします。
小学生編(前編)はこちら↓
https://www.viwa.jp/2020/09/blog-post_26.html
小学生編(後編)はこちら↓
https://www.viwa.jp/2020/10/blog-post_4.html
〇中学生時代
普通校での居心地があまり良くなかった当時の私は、盲学校へ行くことを決意しました。そして、幼稚部に通ったことがある筑波大学の附属盲学校の中学部に入るため、中学受験をしたのです。中学時代は一番自分が成長できた時期かな、と現在振り返って思います。小学生時代の影響で人間不信に陥っていた部分もあったため、入学当初は、クラスメイトと些細なことで言い争って投げやりになったこともありました。また、障がいを持っていることで受けたいじめから生まれた、人間関係に対する不安感と実際に友達と上手くやっていかなければならないという現実の差から、自分との葛藤がありました。
そんな時、定期的に日頃の様子を聞きながら、見守ってくれる存在が身近にありました。私の父親です。父は、私の話を否定することなく、まずは受け止めてくれました。いけないことは、明確な理由を説明しながら優しく教えてくれました。私は、盲学校に入学し、自分と同じ障がいを持つ人と一緒に過ごすようにはなりましたが、この段階では自分の障がいを受け止めきれずにいた部分があり、複雑な気持ちでした。そんな時に自分の話を聞いてくれる存在が近くにあったからこそ、自分自身も状況を整理することができました。
中学生のクラスメイトは、持っている病気が違ったとしても、同じ障がい者としてできること、できないことに関して、それぞれ気を配ってくれていたので、過ごしやすい環境が自然にできていたように感じます。そのような中で、私は少しずつ自信を取り戻せていったような気がします。当事者同士が尊重し助け合っていけば、楽しい学校生活を送ることができる、と少しずつ気づくことができました。
また、中学生という早い段階で親元を離れたこともあり、最初はできないことを自分でやろうと努力もせず、すぐに人に頼ってばかりいましたが、3年間の中で出来ることを増やしていきました。例えば、靴の紐結びや爪切りなど、今では当たり前だと感じるような身のまわりのことが、当時の私にとって苦手な事であり、自宅でかなり練習したことを覚えています。なかなか上手に細かい作業を行うことができない私に対して、自宅に帰省した時に、両親が解いた状態の靴を渡して、練習する時間を作ってくれました。私はできない理由を障がいのせいにはしたくないという思いもあり、必死に練習して、自分でできるようになったことで、少しずつ自信につながりました。
中学生の心身の状態は3年間で大きく変わっていきますが、そのような学生時代にどれだけ本人が1人でできることを増やせるかが、大きなポイントだと私は思います。またそれは、自立して生活を送る上で困らないようにするためにも大切なことであると感じます。もちろん、いきなり挑戦しようとしても、不安に思うことやできないことに対してもどかしさを感じることもあると思います。私の両親は、私に挑戦する機会を与えてくれましたが、その時に私の両親は決して強制をせずに私のことを見守ってくれていました。私はこのことから、チャレンジするための小さな目標を一緒に作りながら、本人のペースで進めることが大切だと考えました。コツをつかみ取ることができれば、できるまで頑張ろう、と少し前向きに考えることも可能になってくると思います。そして、両親は目標を達成できたときには、褒めてくれていたので。できることが増えていくに従って、障がいを持っていても工夫次第でできることは多くなるということを、私は実感することができました。
私は中学生の時に、周囲の友人とのかかわりや両親の支えがあり、自らの障害受容を進めることができました。
次回は、高校生編をお届けします。
ハチ
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