こんにちは。viwaの奈良里紗です。
第3回オンラインパパママ会のゲストである片平(海野)先生が有益な情報を提供してくださいましたので共有します!
ぜひ、休校中の家庭学習に活かしてください!
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静岡視覚特別支援学校教諭の海野(片平)です。
★休校中の家庭学習にご活用ください。
★地域の学校に通っている弱視児向けの内容が多いですが、お子様の実態に応じて必要な情報をお読み取りください。
1 漢字の学習について
休校期間中なるべく該当学年の学習を進めておきたいということで、漢字学習は比較的家庭でも取り組みやすい学習内容の一つではないでしょうか。
弱視児の漢字学習は、「量より質」を大切にして下さい。通常校の漢字の宿題は、漢字ノートに何回も繰り返し書くというものが多いかと思います。見えにくさのあるお子さんは、繰り返し書いているうちに、上の方に書いてある正しい字形を見て確認することが大変になってしまいます。後に自分が書いた間違った字を何度も書き写してそれを覚えてしまうことに…。
練習をするなら回数ではなく、正確に覚えることを優先して下さい。本人にもそういう意識をもたせます。「書く回数はなるべく少なく。でも、じっくり見て丁寧な字で書き写す!」をモットーにするといいと思います。やり方の例を下記に示しました。試しにやってみてください。
※担任の先生の指示と違うことをやることになりますが、じっくり説明をして、見えにくさのある子が理解しやすい学習方法で実施したいことをお伝えしてみてください。
<漢字練習の例>
①正しい字のお手本を左側に書く。(左利きの場合は、右側に書く)
②自分で完璧(覚えた、間違いなし)と思える字を二回書く。2回目でも自信がない場合は、もう一つ書いてみる。丁寧に書かないと何度も書くことになるので、自然と丁寧に書き写すことを意識し始めます。
※2回で上手に書けたらたくさんほめてあげてください。
③ノートに余白が余っても気にしない。
※余白は、テストで間違えた時にもう一回書く時にも使えます。
④どうしても間違えてしまう字は、大きくはっきりしたお手本を横に置いて見せる。
※「筆順辞典」(無料)アプリがおすすめです。
https://apps.apple.com/jp/app/%E5%B8%B8%E7%94%A8%E6%BC%A2%E5%AD%97%E7%AD%86%E9%A0%86%E8%BE%9E%E5%85%B8-free/id453410542
※広島中央特別支援学校の先生の作られた漢字練習プリントの例もおすすめです。
http://www.hiroshima-sb.hiroshima-c.ed.jp/kenkyu_kensyu/jiritukatudou_sidousyo/salf-support_book/4-11.pdf
2 地図学習について
今年度から3年生で地図帳を使った学習がスタートします。地図の読み取りは、視覚障害児にとってとっても苦労するものの一つです。
見やすい地図も販売されていますが、みんなと同じ地図帳を使うようなら視覚補助具や拡大読書器等で見やすくする工夫が必要です。
<導入期>
①地図のパズルで遊ぶ。
※くもんの地図パルがおすすめ。立体的、色で判別できる。
②ポスターサイズの地図をいつも見える位置に貼っておき、旅行に行く時や親せきの話をする時、お菓子や食品の
産地等、子どもにとって身近な話題が出た時に地図で確認する時間を設ける。
※ポスターも見えにくいので、見る際はiPad等で写真にとって拡大して見せるようにする。
※まず全体を確認させて、次に拡大したものを見せ、また全体の地図で指差しをさせて子供が見ているところがどこなのか確認する。
③地図学習アプリを活用する。
※iPhoneアプリで「地図エイリアン」(東北地方だけ無料)や「地図パズル」(無料)がおすすめ。
④お出かけの前には、Googleマップで行先を確認する。車で移動している際も疲れない程度に地図を確認していくのもよい。(青い現在地マークがどちらの方向に移動しているかわかる。四方位の名前も伝えておく。)
※町の様子も一緒に伝え、北や南に進むと窓の外の景色がどのように変化していくのか情報を伝えてあげる。
例:「家がだんだん少なくなってきたね。」「お店屋さんが多いね。」「国道という広い道を通っているよ。車がたくさん通るね。」「海が見えてきたよ。」「海沿い(山沿い、線路沿い)を移動しているよ」等。
<授業が始まったら>
地図帳の地図は、情報量が満載です。高低、川、山脈、県境、県庁…とたくさんの情報が詰まっています。
弱視児向けの地図は、なるべく高低(色での区別)や山脈や川だけの地図。主要な道路と線路だけの地図。
というように、情報を精選した地図を作ることが多いです。特に県境や川等は濃く、はっきりと書いておきます。
以下に、通常級で地図学習をする際のヒントを書いておきます。
①クラス一斉に誰が一番早く目的の町や、川、山脈等を見つけられるか競うような学習活動には、参加しない。または、担任に参加しないことやなるべくそういう活動をしないようにお願いしておく。
※これは、辞書の早引き競争の際にも同じ配慮をしてもらう。
②索引を活用する。索引の文字は、とても小さいのでルーペをやiPadを活用する。
③できれば、見やすい地図を活用する。
筑波大付属の先生方が作られた「みんなの地図帳~見やすい・使いやすい~」がおすすめです。定価2000円
https://h-navi.jp/column/article/35027428
《写真②③》
3 その他、休校中の学習保障についての情報提供
①「ちびむす」(PCサイト)
・学習プリントが学年別、教科別に無料でダウンロードできるサイト。
・ノートのテンプレートもあるため、ノートがなくなる緊急事態にも対応!
※カラーの方がお子さんも喜ぶかと思うのですが、カラー印刷だと淡い色になってしまうので、白黒印刷をお勧めします。ノートも罫線が薄いので、濃くする設定にして印刷してみてください。
※直接iPadでダウンロードして、PDFファイルにしたり、ノートアプリに添付したりすると小さい文字のプリントも大きくして書き込みすることが可能です。
https://happylilac.net/syogaku.html
②NHK for School(アプリもPCサイトもあり)
・NHKで過去に放送された教育テレビが科目別、学年別に検索できます。学校が本格的に始まる前に予習できる番組もあるので、一見の価値ありです。
https://www.nhk.or.jp/school/
③Eテレ フライデーモーニング・スクール(TV番組)
・オンライン授業や自習をすることが難しい小学生低学年~向けにNHK教育で理科や社会、プログラミング、生活科等、新学習指導要領による「新しい学び」を意識した番組がスタートしました。毎週金曜日の朝9時からの放送です。NHK for Schoolの動画もテレビで使用できます。
https://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/original.html?i=23139
④学校チャイム(スマホアプリ)
・時間管理アプリ。学校と同じ時間割で学習したり、休憩したりできます。生活リズムを整えるためやお子様の自主性を育てるために、1日の生活についてお子様自身で
遊ぶ時間、勉強時間、入浴、就寝等決めて生活できるといいかもしれません。
https://apps.apple.com/jp/app/%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E3%83%81%E3%83%A3%E3%82%A4%E3%83%A0/id1023234803
⑤福島盲の体育の先生作成の「家でできる体力トレーニング」(動画)
・声での情報保障がしっかりしているので、動画に頼らず声だけの指示で体を動かすこと
ができます。真剣にやると結構よい運動になります。
⑥「新型コロナウイルス感染症による外出制限下での視覚障害のある子供達の学びを支えるための情報源」
・慶応大学の中野先生が立ち上げられたHP。小学生~大学生に関わる全国から寄せられた内容の濃い情報のリンクが貼ってあります。ご活用下さい。
https://psylab.hc.keio.ac.jp/4vi/
★最後に…
子ども達にとって一番大切なのは、保護者のかたの温かい励ましの言葉と、頑張っている姿や結果を賞賛の言葉です。休校期間中、子どもたちの生活リズムや学習環境をご家庭の中で作っていただけるとありがたいです。
学校再開まで、もうしばらく子供たちの「学ぶ意欲」を高めたり、生活リズムが崩れないよう、見守りや応援をしてあげてください。よろしくお願いします。
**ここまで
片平先生、本当に貴重な情報提供ありがとうございました!
このほかにも、盲学校の先生方からの情報提供がありましたらinfo@viwa.jpまでお願いします。
有意義な休校生活を子どもたちが過ごせるようご協力のほど、よろしくお願いいたします。
key words 休校 家庭学習 弱視 盲学校
viwa 奈良里紗
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