2018年5月15日火曜日

「4しょく会」春のイベントのご案内

こんにちは、viwaの二宮です。
今回は、「4しょく会」春のイベントのご案内です。

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「4しょく会」春のイベント
今、あえて考える按摩の意義
ーー21世紀の『盲目物語』は触読者の手から生まれる!ーー

 「視覚障害者は触読者である」。

このように書くと、多くの方は「触読=点字」をイメージするのではないでしょうか。しかし、「読む」にはさまざまな意味があります。
ここで「読む=目に見えない言葉を浮かび上がらせること」と定義してみると、「触読」の解釈も変わってくるはずです。
『平家物語』を語る琵琶法師、死者のメッセージを伝えるイタコたちは、じつは「読む」職人だったともいえるかもしれません。
 そして、按摩は「さわって読む」視覚障害者の伝統的な生業です。

古来、手当は人間の自然治癒力を引き出す原初的な医療行為として、広く行われてきました。
手当の延長、目に見えない体内の様子を触読する技術として発展したのが按摩なのです。日本において、按摩は視覚障害者たちの手によって継承されてきました。
視覚障害者は外界を見る目を失った代わりに、内界を探る眼を開いたともいえるでしょう。
 按摩の施術では、患者(触れられたい人)が自己の心身を治療者(触れたい人)に委ねます。

多くの場合、患者は背中を向け、無防備な状態で治療者に対峙するのです。
つまり、患者は治療者を目で見ることができません。ここから、目に見えない言葉をやり取りする治療者と患者のコミュニケーションが始まります。
日常生活において弱者とされる視覚障害者が、治療の現場では主導権(手導権)を
握る。

視覚障害者の適職として按摩が受け継がれてきた背景には、「内界を探る眼」を持つ触読者への信頼感があったのは確かです。
癒す手、治す手を介して、治療者と患者の心がつながった時、按摩は大きな効果を生み出します。
触れたい人(主体)と触れられたい人(客体)が一体化するのが触れ合いだとすれば、触
れ合いの原点は按摩にあるといっても過言ではないでしょう。
 近年、盲学校の理療科への進学志望者が激減しています。

東洋医学を学ぶ見常者の数が増加し、もはや按摩・鍼・灸は視覚障害者の専業とはいえない状況です。
視覚障害者の職業選択の幅が広がり、多様な分野で活躍する全盲・弱視者が増えていることは、時代の進歩として歓迎すべきだと考えます。

一方、按摩に代表されるような触読者ならではの仕事、視覚障害者の特性を活かす進路が、当事者から顧みられなくなった現状は、やはり悲しむべきではないでしょうか。
 今回のイベントでは「触読」をキーワードとして、按摩の過去を振り返り、今後を展望します。

按摩の実態に触れ、未来を読み解くイベントになれば幸いです。
まず最初に、台湾の「盲人按摩」について実地調査を続けておられる木村自さん(立教大学)に講演していただきます。

台湾の歴史、現在を知ることで、日本における視覚障害者と按摩の関係を多角的にとらえ直すヒントが得られるでしょう。
ついで、盲学校教員、ヘルスキーパー、治療院経営者の3名に、それぞれの立場で按摩・三療の魅力、同業者や後輩に対する思いなどを率直かつ自由に発表してもらいます。

按摩・鍼・灸業を視覚障害者の伝統的な職業として守り伝えていくためには、何が必要なのか。
簡単に結論が出る話ではありませんが、フロアの参加者も交え議論できればと願っています。
 かつて谷崎潤一郎は盲目の按摩師の語りにより、手触りに基づく戦国時代の裏面史を鮮やかに描きました。

按摩を通じて、たくさんの人々の心に触れ、触れ合いの絆を築いてきた視覚障害者は、きっと21世紀の『盲目物語』を書くことができるはずです。
さあ、文豪・谷崎をうならせるような視覚障害者の「触読力」を4しょく会から創造・発信しましょう。
「もみほぐす 世界平和は この手から」


 日時 2018年6月9日(土)13:0017:00
 会場 長岡京市中央生涯学習センター3階「特別展示室」
 住所 〒617-0833 長岡京市神足2丁目3-1 バンビオ1番館内(JR長岡京
駅前)
 電話 075-963-5500
 URL http://www.bambio-ogbc.jp/
 主催 「視覚障害者文化を育てる会」(4しょく会)
 定員 80名(要予約、先着順)
 参加費(資料代) 会員および学生300円、非会員500

    「日程」
 12:50 JR長岡京駅の改札口を出た所に集合(適宜会場に移動)
 13:00 会場にて受付開始
 13:3013:40 開会の挨拶(司会・高田佳直)
 13:4014:40 講演「台湾の盲人按摩ーーフィールドワークから明らかになった実態」(木村自)
 14:4014:55 休憩
 14:5516:10 パネルディスカッション「私はなぜ按摩を選んだのか」
    「つなぐーー盲学校教員として」(長尾隆一郎)
    「広げるーーヘルスキーパーとして」(橋本一弘)
    「深めるーー治療院経営者として」(園田哲生)
 16:1016:40 質疑応答
 16:4016:50 閉会の挨拶(会長・広瀬浩二郎)

 イベント終了後、会場近くにて懇親会を行いますので、希望者はご参加ください(会費4,000円)。
 イベント参加申し込みは、6月1日(金)までに電話かメールで以下にお願いします。
電話 080-2527-9383(佐木理人、平日の21:0023:00、または日曜の18:0023:00
メール jasmine@tenjiban.com(4しょく会事務局)
 参加申し込みに際して、「かならず」以下の4点についてお知らせください。
. お名前・ふりがな(フルネームで)
. 電話番号またはメールアドレス(イベント関係の必要事項の連絡に利用いたします)
. 配布資料は点字・墨字のどちらを希望するか
. 懇親会の出欠(当日の変更については、キャンセル料をいただく場合があります)


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