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2016年7月17日日曜日

視覚障害リハビリテーション協会 in 静岡大会 参加報告

皆様

こんにちは。viwaの奈良里紗です。
2016年6月17日(金)~19日(日)の3日間、静岡県静岡市にて視覚障害リハビリテーション協会の全国大会が開催されました。


今年は、viwaからは私1人の参加で少しさみしいなぁと思っていたのですが、会場につくとそんな気持ちはどこへやら。
活気あふれる静岡大会の雰囲気に圧倒されちゃいました。


静岡大会での実行委員の方々の準備・運営がとても素晴らしいと感じたのでご紹介したいと思います。

1.with voice サインのついた名札
きっと、今までにも
「こんなものあったらよいよね」
と思っていた人はたくさんいたのではないでしょうか?


でも、それを実際に形として実現するというのは時間と労力が必要だったと思います。
今回は大会長である松久先生の提案で実現したそうです。


このwith voiceサインの名札をつけている参加者に対しては、例えば、
ポスター発表のときなどに積極的に声をかけていただき、発表内容を説明してくださいというサインです。

私も視覚リハをはじめ、ロービジョン学会や特殊教育学会等、いくつかの関連学会に参加することがあります。
口頭発表や特別講演等は聞いていればある程度理解できるのでよいのですが、ポスター発
表はちょっと厄介です。

まず、タイトルからわからないため、今、自分の目の前にあるポスターはいったい何の発表なのかわかりません。
抄録集で下調べをして、ポスター番号をひかえて、なんとかそのポスターの前にたどりついたとしても、ポスターの文字が小さくて見えにくいことがあります。

そんなとき、このサインのついた名札をつけていれば、発表者のほうから声をかけていただけるので大変助かります。
特に、白杖を常用していないロービジョンの人にとっては、効果的だと思いました。


何より、このwith voiceという言葉のチョイスが私は気に入っています。
防災用品で、
「私は視覚障がい者です。」
と書いてあるベストがありますが、確かに、緊急を要するときには、格好よいとか格好悪いとかより、相手にストレートに伝わるということが大切だと思います。

ただ、もしこのwith voiceと書かれた部分が
「視覚障がい者です。」と書かれていたら、あまりうれしくなかったかもしれません。


さらに、このイラストもかわいいです。
大会長の松久先生をはじめ、多くの実行委員、視覚リハの専門家の皆様の知恵と思いやりを感じられるものでした。



ただ、一つだけ残念だったことが。。。
これは相手が一方的に悪いわけではなく、むしろ私の援助依頼の仕方が悪くて招いたことなのですが・・・
名札の名前はあっているのですが、所属は筑波大学ではなく、viwaで書いてほしかったのです。
2日目のブロック別情報交換会みたいなものに参加したときに、

「筑波大学の方ですか?」
と聞かれて初めて名札の所属が筑波大学になっていて、viwaではない!なんていうことに気づきました。
代筆をお願いするときには、一つひとつ何を書くところがあって、どう書いてほしいか伝えながらやらないといけませんね。



2.直前アナウンス
今回の大会の直前に15通ぐらい話題別にメーリングリストへ情報が流れていました。
この事前アナウンスがとてもよかったです。


例えば、
「当日、スタッフは黄色いベスト、ボランティアは水色のベストを着ています。」
というアナウンスがありました。

たったこれだけのアナウンスがあるかないかで、私は当日とても助かりました。

よくスタッフとボランティアを見た目でわかるように工夫すると思うのですが、実際には何色がスタッフで何色がボランティアですということを改めてアナウンスされることはあまりありません。
おそらく、晴眼者の人であれば、水色のベストを着ているのは学生っぽい人が多いからボランティアかな?と判断しているのではないのかなと思うのですが、私たち弱視者はそれができません。


例えば、私はこんなときスタッフの方に声をかけました。
「託児室はどこですか?」
これは、ボランティアの方には開示されていない情報の可能性が高いと思って黄色いベストのスタッフさんに確認しました。


一方、ポスターを貼付したり、撤去したり、クロークの場所を聞いたり、そういったことは水色のボランティアの方に聞くようにしていました。
こういう使い分けができたのは、事前に情報を入れていただいたからこそ!なのです。


このほか、事前アナウンスでは、
・宿泊するホテルの一部には静岡芸術文化大学の学生がデザインしたシャンプーとコンディショナーが設置されています。
(残念ながら、私が宿泊したホテルではありませんでした。涙)

・ipadで読める抄録集は10階でやっています。
などなど、メールという普段から使用している手段で直前アナウンスをいただけたことはとてもありがたかったです。


3.おもてなし研修
最近の視覚リハは当事者参加が増えていることに伴い、会場周辺の宿泊施設に対して事前におもてなし研修をしてくださっていました。


こういう大会が地方で開催されることをきっかけに地域の方々に視覚障がいへの理解を深めていただけるというのはとてもありがたい取組だと感じました。
当日はおもてなし研修を受けたホテルかどうかわくわくしながらホテルにむかったのですが残念ながら私が宿泊したホテルは受けていないようでした。
可能であれば、おもてなしの研修を受けたホテルの一覧表がこれから公開されるとよいのかなぁと思います。

そういった情報があれば、少しほかのホテルより宿泊費が高くなっても、ちゃんと部屋まで誘導してもらえる、部屋に備えてあるアメニティも使えるものがおいてある、朝食のときも案内してもらえる、そんなホテルだったら、当事者はそちらを選ぶと思うのです。
私も1人で宿泊するとき、まず部屋までたどりつくのに一苦労します。

でも、フロントに1人しか従業員がいないようなビジネスホテルでは、なかなか「部屋まで案内してもらえますか?」と援助依頼しにくいのです。
大会が開催される会場のことだけではなく、その周辺施設まで気を配って準備いただいた実行委員の皆様には本当に頭がさがります。

これだけのことが静岡でできたのだから、次の川崎でも!と思ってしまうのは私だけでしょうか?笑
**


さてさて、ここからはviwaの発表についてご報告したいと思います。

今年は研究発表と活動報告という2つのカテゴリでの演題募集がありました。
viwaでは、活動報告として5年間に蓄積されたブログ記事について振り返ってみることにしました。

5年間に蓄積された記事は約570件。
10万を超えるアクセスをいただいております。


その中で今回私たちが着目したのは、私たち当事者はいったいどんな情報を発信しやすくてどんな情報は伝えにくいのだろう?という疑問です。

結論から申し上げますと、私たちが情報発信しやすい内容は生活やコミュニケーションに特化した内容であるということがわかりました。
逆に、職場や就職等、今まさに職場でおきている困難に対してこんな解決をしたよということは、だれもがアクセスできるウェブの性質上オープンに公開することが難しいところがあるということがわかりました。
今後は、生活・コミュニケーション分野の記事の蓄積をはかりつつ、情報発信の弱い分野については、どうやったら発信がしやすくなるか、その工夫を考えていきたいと思います。

来年は川崎でまた活気&熱意あふれる視覚リハに携わる皆様とお会いできることを楽しみにしております。

viwa 奈良 里紗

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