2016年5月29日日曜日

unBORDE 5th anniversary FES 2016 at 幕張メッセに参加してきました!

皆様

こんにちは。viwaの奈良里紗です。
今回は4月10日に幕張メッセで行われた「unBORDE 5th anniversary FES 2016」についてご紹介します。

一昨年のクリスマスライブに続き、奈良は2回目となるunBORDEのライブ参加です。
今回も前回同様、視覚障がい者の中では立体コピーでお馴染みのコニカミノルタさんのご好意で、視覚障がいのある方々をライブにご招待していただきました。

前回よりもさらに盛り上がったライブ、私自身もすっかりunBORDEのとりこになりました☆

さて、ここからは当日の様子をご紹介していきたいと思います。



見た目もおしゃれな関係者用のネックプレートをつけて会場に入ります。
今回のライブもひとりでも多くの視覚障がいのある方に楽しんでもらいたい!
ということで合計9時間のライブを3部に区切って入れ替え制にしました。

一般のお客さんとは異なる入口から出入りさせていただく関係でこの特別感あふれる関係者用プレートを着用しています。

さらに!
スペシャルなライブチケットがプレゼントされました。
それが、こちら!




コニカミノルタさんの立体コピー機で作ったチケットです!
これには点字もついていました。

強度弱視のR君は
「ライブ大好きでよく行くんですけど、ライブチケットってもらってもただの紙ペラで家に持ち帰っても何のライブチケットなのかわからなくて結局捨ててしまうんですよね。でも、今回いただいたチケットは、unBORDEのライブチケットだってあとで振り返ったときにわかるので嬉しいですね!」
とのこと。私もそう思います。


さらにさらに、これだけではありません。
当日は、会場と最寄駅までのアクセスマップも立体コピーで配布されました。



これはコニカミノルタの担当者さんと事前に打ち合わせをする中で、全盲の方から会場と最寄駅の位置関係がわかるような立体コピーの地図があると嬉しいという要望をお伝えしたところ、担当者の方が作成してくださり実現したものです。

この他にも、私を含め弱視の場合、ライブではiphoneやipad等のタブレット端末を出していると、撮影していると周囲の方から思われてしまうため、カメラの拡大機能を使ってステージを見たくても使えないので、タブレットの使用許可をいただけないかという要望をお伝えしたところ、こちらもワーナーミュージックの担当者さんと交渉してくださり、実現しました。
弱視の人は広いステージを単眼鏡だけで見ることは慣れていないと難しいのです。
今回はipad proを使ってライブを観ることができ、私は初めて生で動くアーティストを見ることができて感激しました。
(いつもは、翌日の芸能ニュース等で放送される映像をみて初めてアーティストの動きや衣装、表情を見ることができます。今回、生で見れたということはとてもとても大きな喜びでした。)


そんな素敵なライブ、参加者から寄せられた声もご紹介します。

【Aさん・中途失明40代男性】
今回はライブに招待いただきありがとうございました。
ライブが楽しかったのは当然ですが、全席スタンディングのライブ会場が多い中、安全に安心して開場時間ギリギリに行っても大丈夫なんてなかなかないのでGOODでした。
また、チケットや地図を触って楽しめる物を用意していただけていたことも嬉しかったです。
社会的少数派の視覚障がい者のことを考えて、少しでも楽しんでもらいたいという主催者側の気持ちが伝わってきました。
ステージと客席という前時代的なアナログなコミュニケーション。
目が見えていた頃も、目が見えなくなった今も、変わらない価値と人の暖かさを再認識した一日でした。
次回は、チケットや触地図がどう変わっているのだろうかと期待せずにはいられませんね(笑)




※写真は参加者の集合写真です。

【Bさん・先天性弱視の大学生】
ライブそのものが楽しかったのはもちろんですが、スマホやタブレットの使用(アプリなどで拡大して見ること)を許可していただけたのは嬉しかったです。
機会があれば、また参加したいなと思いました。
ライブ会場入り口から近い席のため、移動のトラブル(席の場所が分からない、階段の上り下りが大変など)も特になく良かったと思います。
立体コピーのマップとチケットについては、チケットがどんなデザインなのかを知るには便利だなと感じました。
ライブスタッフの対応については、スマホやタブレットでの拡大視聴を特別に許可していただき、とても嬉しかったです。




※写真はライブ参加者の視覚障がい者が立体コピーのチケットを確認している様子です。

【Cさん・先天性弱視 20代女性】
今までライブというのは暗くて人も多く、アーチィストや周りの動きがわからないので興味はあるものの避けていたのですが、今回先導してくださるスタッフの方やiPhoneやiPadの拡大機能を使用して良いとのことでスクリーンやアーチィストの動きを見ながら迫力のある体験ができてとても楽しむことができました。
またこういった機会があれば積極的に参加していきたいと感じました。




※写真は第3部の参加者の集合写真です。

視覚障がい者にとって、ライブに行くにはいくつか困ることがあります。
ひとつは最寄駅からライブ会場までの移動です。
立体コピーのマップがあればひとりで移動できるというものでもなく、やはり安心して辿りつくためには移動面のサポートがあると安心です。
会場についてからも、座席までの移動やライブ中のお手洗い、ライブグッズのお買い物等、晴眼者のサポートがあることで快適に楽しむことができるのです。


そこで、今回のライブでは大学生のボランティアにきてもらいました。
この学生ボランティアの方々は、NPO法人Inclusive Fellowship Promotionにて様々な障がいのある人との関わり方をインターンシップで学び、視覚障がい者へのサポート経験もある学生さんたちでした。


次に、彼らがこのライブにボランティアとして参加した感想をご紹介します。

【竹内 真璃子さん・國學院大学4年生】
移動については、事前に案内するルートを確認しました。
そのため、人通りの少ない通路やエレベーターを利用したので、行き帰りの移動がスムーズに出来ました。
座席についても、最後部座席で出入口から近かったので、お手洗いなど途中退席のガイドがやりやすかったです。
点字の地図については、あまり活用できなかったので、もう少し活用すればよかったと反省しています。。
参加者のみなさんに話を聞くと、初めてライブに参加されたという方が多くいらっしゃいました。
当日は特に大きなトラブルもなく、みなさんがライブを楽しまれていたので本当によかったです。


【坂本 万里菜さん・國學院大学4年生】
私自身、ライブが大好きで今回のボランティアに参加できてとても楽しかったです。
ライブ中は周囲の音が大きく言葉で状況を伝えることが難しいため、会場に入る前に気をつけることなどお伝えできたらよかったなと感じました。
また、ライブ終了後にアーティストの看板やグッズ販売等、もっとゆっくり見る時間が確保できたら参加者のみなさんももっと思い出に残ったのではないかなと思いました。



参加した視覚障がい者の方はもちろん、ボランティアに来てくれた学生さんも一緒にライブを楽んでいたことが印象的でした。
そして、改めて、音楽の力に圧倒されました。


最後に、今回もこのような機会を作ってくださったコニカミノルタ、並びに、ワーナーミュジックの皆様に深く感謝申し上げます。

一昨年のクリスマスライブの報告は以下からご覧になれます。
http://www.viwa.jp/2015/01/unborde.html

viwa 奈良里紗

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