2015年3月12日木曜日

家庭での漢字学習へのワンポイントアドバイス(盲児の場合)


皆さま

 

こんにちは。Viwaの奈良里紗です。

 

先日、全盲の小学生の漢字学習についてご質問をいただきました。

 

全盲のお子さんの場合、読み書きは点字で行います。

点字には漢字、ひらがな、カタカナの区別はありません。

だからといって、全盲のお子さんが漢字を学ばないということはありません。

 

ここでは、知り合いの全盲の方に、漢字学習についてのアドバイスを頂きましたのでご紹介します。

 

Q.小学生のときはどのように漢字学習をされていましたか?

A.小学生のときは本当に漢字学習をしっかりやっていなかったんです。

でも、あるとき、もっとちゃんと勉強しなきゃと思って、漢字の作りとへんについて解説されている本(点字)で一生懸命勉強しました。

小学生レベルだとは思いますが、漢字の基礎となる作りとへんについてしっかり学んでおくことが大切だと思います。

 

Q.大人になって漢字で困ることってどんなことですか?

A.大人になってしまうと、今度は作りとへんの問題ではなくなくんですよね。

音声読み上げソフトで文章作成をするんだけど、音声ソフトによって漢字の解説の仕方が違うんですよね。

だから、知識としては、○○という意味で使われる○○という漢字というふうに知識の引き出しがないと漢字変換がパソコンや携帯でできないんですよ。

例えば、「ほしょう」なんていうのは同音異義語がある上に意味の違いとか使い分けの仕方が難しいですよね。

こういう微妙な使い分けが大人になった今でも難しくて、でも、それは晴眼者の人にとっては当たり前にできる使い分けだったりするので恥ずかしいなと感じることがあります。

 

Q.小学生で家庭で漢字学習をみている保護者の方にアドバイスをお願いします!

A.アドバイスというか、自分が小学生だったら、いや、今でも、こうしてもらえると嬉しいなということを一つ。

レーズライターで作りやへんを書いてもらって、触れたら嬉しいです。

漢字って表意文字だから、形にもそれぞれ意味があって面白いじゃないですか。

でも、それを知る機会がなかなかないので、「山」っていう漢字でも山に似ている形でできているって言葉で聞いて理解するのとレーズライターで触って確認して理解するのとでは学習としての質も違うと思うんです。

レーズライターで描くときの注意としては、大きさに注意してください。

似ている形、例えば、沙(左側のさんずい)と次(左側のにすい)を取り出してレーズライターで描きます。

子どもに触らせて、「どんな形?」と尋ねたとき、「同じ!」と答えるようであれば、もう少し大きな大きさで描かないと違いが指先で理解できていないという判断基準になります。

 

Q.レーズライターってどこで買えますか?

A.多分、日本点字図書館とかでも販売していると思います。

ネット通販で購入できるんじゃないかな?

レーズライターの用紙とレーズライター用の板があれば、家庭でも簡単に立体にした図を触って共有することができるので、家庭に1セットはあってもよいのでは?と思います。

 

以上がアドバイスでした。

漢字学習の仕方は、全盲の場合であっても人によって色々な方法があるみたいです。

 

今後も情報があれば、共有していきたいと思います。

 

viwa 奈良里紗

 

0 件のコメント:

コメントを投稿