こんにちは。“viwa”の渡辺です。
今回は、「自分ができるコト」と「自分にはできなコト」の境界を知る経験について、私の小学校の図工の授業での体験をもとに書いてみたいと思います。
私は、先天性の弱視者としては珍しいかも知れませんが、小さなころから工作が大好きでした。小学校でも図工の授業が一番好きで、普通校に通いながら健常者の同級生を差し置いて市の作品展に入賞するくらい、得意でした。
ところが、小学校5年生か6年生のとき、それまでハサミやカッターナイフ、彫刻刀などでの作業が得意だった自分が、何故かどうしてもうまくできない作業に出会いました。それは電動糸鋸を使って卓球ラケットを作る、というものでした。
それまで得意だったはずの工作なのに、何故かうまくできない・・・・。得意分野のはずのコトができないという体験は子供にとってもショックで、悔しい体験でした。担任の先生からも、いつも器用な渡辺君がどうしちゃったの?という感じで、かなり心配されていました。体調が悪いのではないか、何か心配事があって集中力が落ちているのではないか、などなど。
結局、その時は原因は分からず、図工のテーマが別のものに変わると、以前と同じようにできるようになりました。それでも、どうして電動糸鋸の作業だけがうまくできなかったのか、ずっと気になっていました。
私自身が原因に気付いたのは、それらかなり経ってから、高校生か大学生のころだったと思います。その原因とは、カッターやハサミであれば切る場所に目を近づけることができるが、電動糸鋸ではそれができないから、というモノでした。
だんだん大人になる過程で、自分の目に対する理解、自分の見え方に対する理解が深まります。私自身も、自分は視距離が近く、対象と目の距離が6cm位になると急によく見えるようになる、という特性を自覚するようになりました。それを知ることで、ようやく、どうして電動糸鋸がうまく使えなかったか原因が分かったわけです。
このように、得意分野でありながらちょっとした条件の違いによってできないコトがあったりします。それが弱視者ひとりひとりで違うわけですから、弱視の理解って難しいないぁ、と思います。
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