2011年10月30日日曜日
本をスキャンして電子書籍(PDF)にしてくれるサービス
こんにちは。
“viwa”の渡辺です。
みなさま「自炊」という言葉はご存知でしょうか?
もちろん、自分で食事を作ることも「自炊」ですが、最近では、本を裁断しスキャナでPDFファイル等のデジタルデータにする(電子書籍にする)、この一連の作業を自分でやることを「自炊」と呼ぶようになっています。
本がPDFファイルになっていれば、iPhone・iPad・Android等のスマートフォンやタブレットPCに入れて読むことできますので、たくさんの本を持ち歩く場合も省スペースで済みます。
そして、何より、私たち視覚障がい者にとっては、スマートフォンやタブレットPCの画面拡大機能を使って大きな文字で読むことができたり、音声読み上げ機能を利用できることが大きなメリットになります。
ただ、この「自炊」、実際にやろうとすると相当に大変な作業になります。本を裁断し、1ページずつスキャナで読み込むわけですから。もちろん、裁断機やスキャナなどの機材も必要になります。
そこで登場したのが、本の裁断とスキャナでの読み込み・PDF等のデジタルデータ化の一連の作業を専門にやってくれる業者さんです。いわば、「自炊代行」の業者さんです。
私が利用したことのある「本スキャン(http://honscan.jp/)という業者さんを例に、利用の流れを簡単にご説明します。詳細は業者さんのサイトをご覧ください。
1.業者さんのサイトでユーザー登録をする
2.冊数やオプションを指定して予約をする
3.宅配便で業者さんに本を送る
4.おおむね1週間以内に業者さんのサイトからPDFファイルがダウンロードできるようになる
(混雑状況にもよるようです)
なお、購入した本を自宅から送るのではなく、Amazon(アマゾン)などの通販サイトから直接業者さんに送ってデジタル化してもらうこともできます。
通販サイトで本を購入する際、発送先を自宅ではなく業者さんにするのです。そうすれば自分で宅配便を発送する手間も省けますし、時間や送料の節約にもなります。手順の詳細は業者さんのサイトをご覧ください。
また、上記2の「オプション」に、OCRという項目があります。
このOCRを「有」にしておくと、ページが単なる画像データとしてPDF化されるだけではなく、書かれている文章が文字データとしてPDFファイルに記録されます。この文字データがあると、iPhoneやiPad、PCやMacで音声読み上げ機能が利用できるので、音声ユーザーの方には有効なオプションだと思います。
ただし、OCRの正確さには限界があり、どんな文字でも読み取れるというわけではありません。また、DAISY図書ほどの利便性は期待はしない方がいいかもしれません。
さて、デジタルデータ化した本が、実際にiPhoneではどのように拡大表示、音声読み上げできるのでしょうか。ここでは、私が実際に「本スキャン」さんで作成してもらった英単語集のPDFファイルを例に、YouTube動画でご紹介します。
なお、動画の例ではiPhoneを使用していますが、iPadなどのタブレットPCであればより大きな画面で読むことができます。
http://www.youtube.com/watch?v=jgg_q6uJ8R8
以下、元の書籍とPDF化してiPhoneで表示した状態の写真を載せます。
<iPhone画面にページ全体を表示したところ>
<拡大したところ>
<最大まで拡大したところ>
「自炊代行」に関しては、著作権の問題が議論されていますが、視覚障がい者にとっては大変有効なサービスですので、ぜひとも継続していってほしいものです。
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