2011年12月9日金曜日

進路選択の決め手(鍼灸)

こんにちは!

viwaの優希です。
今回は、前回お話した鍼灸について、なぜ僕がその進路を選んだのか、その経緯についてお話したいと思います。

まず、僕が鍼灸に出会ったのは、高2の時に盲学校に編入してからです。

高1で中途失明ということもあり、それまで鍼灸の存在もほとんど知らず、ましてや多くの視覚障がい者が鍼灸に従事しているとは全く知りませんでした。

しかし、盲学校には鍼灸やマッサージを専門に学習する教育過程(専攻科や理療科と呼ばれる)があり、それらの科の多くの生徒や先生方と接する機会がありました。

そういった環境の中で僕は次第に鍼灸やマッサージがどのようなものなのかについて、普通高校の生徒以上に情報を得ることができたと思います。

しかし、多くの当事者があはき(あんま・マッサージ・指圧・鍼・灸)に従事しているというのを知るにつれて、なんとなく反発したい気持ちも出てきました。
その理由としては視覚に障がいをもって、鍼灸の道に進むことは、自分の可能性を狭めているのではないか、それに当事者になったことでの逃げ道にしようとしているのではないかという気持ちがあったからです。

進路については、高校2・3年の時期に相当悩みました・・・

しかし、進路決定の決め手となったのは、盲学校の理療科の先生との関わりです。

僕がいた盲学校の理療科の先生方はほとんどが視覚障がい当事者の方でした。
なので、目が見えなくなって困ったこと、つらいことなどよく相談させていただきました。そんな時、当事者として共感してもらったり、的確なアドバイスをいただけたりといった経験を通じて、自分もこのような先生になりたいと思うようになってきました。

心理面のケアだけでなく身体的にも、眼精疲労や肩こりなど、時々鍼灸やマッサージをしてめらうことで、ケアをしていただきました。

そして人の痛みを癒すことのできる鍼灸のすばらしさを身をもって実感し、鍼灸の先生になることを決意しました。

鍼灸の教育では盲学校において、視覚障がい当事者の教員が同じ当事者である生徒に教えていくという素晴らしい伝統があります。当事者は当事者のプロだという言葉があります。当事者のことは当事者が一班よく知っているはずです。視覚に障がいをもったことをマイナスではなく、プラスに考え、むしろそれを強みにして生かしていける道だと考えています。

なんだか入試の面接で語るような気恥かしい内容でしたが、いかがだったでしょうか?

もちろん当事者にとって鍼灸が職業選択として一番適しているなどと言うつもりはありません。現在は視覚障がい者の職域もかなり広まってきました。視覚に障がいがあるからといって選択の可能性を狭めるのではなく、まずは自分のやりたいことにどんどん挑戦していくことが大切だと思います。

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